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こんにちは。日本では総選挙、アメリカでは大統領選、と見事なまでに選挙イヤーですね。
「選挙は買い」というアノマリーがどれほどのものか見てみたいものですね。見るだけですが。
さて、アノマリーと言うと「セルインメイ」が有名ですが、続く言葉をご存じでしょうか?
全部書くと「Sell in May. But remember to come back in September.」で、「5月に売って、9月に(市場に)戻ってこい。」というものです。
これは、米国の株式市場が5月に高値をつけたあと9月で底を打つ傾向にあることから言われるもののようです。
日本の株式市場にも当てはまるかは怪しいところですが、ドル建てで資産形成をする身としては十分気になるところです。
というわけで、前置きが長くなりましたが、ドルで資金があるときにどこに持っておけばいいか問題の続報です。
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2023年10月以降の為替の振り返り
2024年10月11日時点で1ドル=149.14円です。
昨年の10月も同じくらいでしたが、年末にかけて円高方向に進んだ後、反転して一時160円を突破するなど歴史的な動きを見せました。
その後、再び1ドル=140円近くまで円高方向に進み、ちょっと円安方向に戻して今に至ります。
昨年と違うところとしては、米国長期金利(以下、金利と表記)の利下げがあります。
外貨建てMMFってなに?
MMFは「マネー・マーケット・ファンド」を指すもので、SBI証券では【投信】タブに含まれる投資信託の一種です。
先にポイントをまとめておくと、以下のようになります。
- 比較的安全性の高い資産。
- 投資信託なので、買付・売却がカンタン。
- 積立によるドルコスト平均法もOK。
- 少額から買える。
- 毎月分配。しかも自動で再投資してくれる。
投資信託なので商品ごとに投資方針が異なりますが、米ドル建ての商品は(少なくともこれまでは)元本割れがない、とされています。
比較的安全性が高く、流動性を維持できる資産、と認識すればよいと思います。
たとえば、ゴールドマン・サックスの外貨建てMMFは、10 USD以上0.01 USD単位で買付でき、スポット購入や積立も可能です。
また「外貨建て」と言いつつ日本円で買付可能で、5,000円以上1円単位で買付できます。(買付時に自動的に両替されます)
なお、米ドル以外の外貨建てMMFも存在しますが、こちらの安全性はわかりません。
最後のポイントとして、毎月分配金を支払ってくれるうえ自動で再投資までしてくれます。つまり手間なく複利効果を享受できてしまうというものです。
金利と外貨建てMMFの実績
ここから、2023年9月~2024年9月末までの実績を振り返っていきたいと思います。
比較のため、米国総合債券市場ETF【AGG】にも登場してもらいます。【AGG】も比較的安全性の高いETF(しかも毎月分配)として人気です。
1枚目のグラフは米国長期金利と税引前のMMF(または【AGG】)の利回り、2枚目のグラフは金利と税引き後のMMF(または【AGG】)の利回りについて、それぞれを1年あたりの利回りに計算しなおしてプロットしたものです。
なお、【AGG】は1年のうち、2月~11月までの10回と12月の2回の計12回分配金を支払いますが、今回は計算の都合上、12月の2回目の分配を翌年1月の分配金として計算しました。
米国長期金利は一時5%に迫る勢いでしたが、FRBによる利下げもありだいぶ落ち着いてきましたね。
一方、MMFの利回りは、2023年の追い上げ以降ほぼ高止まり状態です。税引き後を見ても【AGG】より高いところで推移しており、2024年9月末時点でおよそ1%の開きがあります。
【AGG】の分配金も増えているのですが、債券は金利が上がると値下がりする性質があるため、利下げの影響で株価は緩やかに上がっており、利回りで考えると外貨建てMMF>【AGG】となるようです。
参考までに【AGG】の一株あたりの分配金の推移を貼っておきます。
【AGG】の分配金も増加傾向であることが分かりますね。ドルで分配金が支払われるため、日本円換算だと為替の影響でガクッと減って見えたりします。
外貨建てMMFと【AGG】はどっちがいい?
上記の結果からは「外貨建てMMFの方がよい」となりますが、究極的には好みの問題かと思います。人によって投資に対するスタンスや状況は異なりますので。
【AGG】の良いところは、ETFであるがゆえに値上がり益(キャピタルゲイン)が狙えることです。実際に【AGG】は直近1年で5ドルほど値上がりしていますし、今後も緩やかに利下げが続く予想なので、検討の余地はあるかと思います。
【AGG】の株価はそこそこ高いので、再投資できないくらいの金額に外貨建てMMFを活用するという手もあります。
ちなみに【AGG】とほぼ同じ債券ETFである【BND】はオススメのETFとして書籍でも取り上げられていますので、ポートフォリオの一部に組み込むのもアリではないでしょうか?
米国大統領選を受けて、金利や株価にどんな影響が出るのか、あらかじめ株を仕込んでおいた方がいいのか、注視していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。