こんにちは。そろそろ梅雨入りしそうな気配ですね。
この時期は株主の権利である「議決権行使」のお手紙が次々と届きます。
そんななか、JGCに関する取り組みが【9201】日本航空(JAL)であったのでご紹介したいと思います。
JGCはJALグローバルクラブのことで、簡単に言うと様々なサービスを受けられる上級会員です。
2024年から上級会員が変更になりました。以下の記事にまとめていますので、ご興味がありましたらご覧ください。
Contents
JGCになる条件
↑の参考記事でご紹介していますので、細かくは書きませんが、Life Statusポイントが1,500ポイントを超えるとJALの上級会員になることができます。
この1,500ポイントという数字はなかなかハードルの高い数字です。
ただ、Life Statusポイントは生涯実績なので、コツコツ貯めていけばいつかは到達できます。
なぜ議決権行使?
今年の議決権行使のお手紙には、以下のような文言が記載されていました。


つまり、議決権を行使して専用サイトに登録すると、Life Statusポイントがもらえてしまうということです。
議決権行使でもらえるポイントは?
やはり気になるのはどのくらいポイントがもらえるかですよね。
同封されていたチラシには以下のように記載されていました。
継続保有株式数 | 積算ポイント数 |
---|---|
100~ 499株 | 2 ポイント |
500~ 999株 | 10 ポイント |
1,000~ 1,999株 | 20 ポイント |
2,000~ 7,000株 | 25 ポイント+2,000株超分(※) ※1,000株ごとに5 ポイント。 最大で7,000株保有の50 ポイント |
ちなみにもう少し細かいものは【9021】日本航空のIR情報のページ(外部リンク)に掲載されています。
議決権行使だけでJGCになれるか?
Life Statusポイントを稼ぐために議決権行使をする、というのは(その分株式を保有するコストもかかりますし)何だか本末転倒な気がしますが、ポイントを得るための手段と割り切って考えてみることにしましょう。
あくまで机上の空論ではありますが、最大(7,000株保有)で1年あたり50 ポイントもらえるので、1,500 ポイント ÷ 50ポイント/年 = 30年で、30年かかります!JGCを取るのに30年も待っていられませんね!
というワケで最速でも30年かかるので、取れる・取れないで言えば議決権行使だけでも取れますが、現実的ではありません。
仮に7,000株を保有しようとしたら、2024年6月7日の終値で2,618円なので1,800万円オーバーです。
これくらいのお金があるならば、さっさと飛行機に乗ってJGCを取得してしまった方が良いでしょう。
議決権行使で効率的にポイントを稼ぐなら
ここまでで、議決権行使だけでJGCになろうとするのは無謀であることが分かりました。
では、効率的なポイントの稼ぎ方としてはどうでしょうか?
100株でも400株でももらえるポイントは2ポイントなので、100株だけ持っている方が効率的ですね。
同様に、500株でも900株でも10ポイントなので、500株だけ持っている方が効率的です。
一方、2,000株を超えると、1,000株ごとに5ポイント加算となるので、ポイントの伸び率は低下します。
また、1,000株では20ポイントですが、2,000株だと25ポイントなので、株式数が2倍になってももらえるポイント数は2倍になりません。
よって、Life Statusポイントの獲得効率を考えるなら、保有株式数は100株・500株・1,000株のどれかでとどめておくのが良いでしょう。
ちなみに、国内の航空券代が正規料金の半額になる株主優待券は、100株で1枚/年、500株で5枚/年、1,000株で10枚/年もらえます。
結論:あくまで議決権行使に対するJALからのお礼
ここまで見てきたように、議決権行使は効率的なポイント獲得にはならないみたいですね。
議決権の行使を促進するためのプログラムなので、あくまでもらえてラッキーくらいに捉えた方がよいでしょう。
ただし、無駄にするのももったいないので、来年以降も忘れずにポイントを登録していきたいと思います。
オマケの考察:修行はどうなる?
さて、本当にオマケですが、以下の仮定で修行をするとどのくらいでJGCになれるのでしょうか?
- 株主優待券を使って片道4万円の経路で修行。
- 株価は2024年6月7日の終値(2,618円)。
- 【9201】日本航空の株式を1,000株買う。
- 1年のうち、もらえる株主優待券の数(10枚)だけ修行のために飛行機にのる。
- JALカードはショッピングマイルプレミアムなし。
- 修行以外で飛行機に乗らないし、JALカードも使わない。
いろいろと計算してみましょう。
1,000株分 | |
---|---|
株式投資額 | 約262万円 |
株主優待券の獲得数 | 10枚/年 |
議決権行使でのポイント獲得 | 20 ポイント/年 |
1年で10枚の株主優待券を使う場合、国内線搭乗でもらえるLife Statusポイントは5 ポイント/搭乗なので50 ポイント/年です。
また、航空券代にかかるランニングコストをすべてJALカード(ショッピングマイルプレミアムなし;200円で1マイル加算)で決済すると40万円/年=2,000マイル/年なので、Life Statusポイントが5 ポイント/年貯まります。
よって、1年で獲得できるLife Statusポイントは、議決権行使(20 ポイント/年)と合わせて75 ポイント/年となります。
JGCになるには1,500 ポイント必要なので・・・なんと20年もかかり、搭乗回数は200回に及びます。思ったより長いし多い!
ここに至るまでにかかる費用は株式取得の262万円+航空券代800万円(4万円/回×200回)でおよそ1,100万円也。
この間、1,000株分の配当金が90円/株/年でもらえたとすると20年で180万円(税引前)になるので、差し引きでざっくり950万円になる計算です。
以上をまとめると、20年の期間と、1,000万円近くの費用を必要とします。
実際には、ショッピングマイルプレミアムやアドオンマイルを付けて効率アップも図れますし、そもそも株主優待券を使って片道4万円は結構高いと思います。
また、航空券代はシーズンで変動するので一概には言えませんが、最終的には結構な金額であることに変わりないですね。
以上、オマケでした。
最後までお読みいただきありがとうござました。