【自作】耐火レンガを積んでピザ窯を作ってみた。出来栄えは?

こんにちは。2021年も残すところあとひと月ほどになりました。

私は毎年初めに一年のうちにやりたいことを設定するのですが、数少ない達成できた目標の一つに「ピザ窯を作る」があります。

あまりアウトドア派ではないのですが、どうしても家にピザ窯が欲しくなったので作ってみました。

手間はかけずに、耐火レンガを積むだけで作成できる2段式のピザ窯です。

当然、ピザを焼く以外にも利用でき、パンやローストビーフ、プリンやベイクドチーズケーキも作れます。

ピザ窯本体は意外と簡単に作れるのですが、傍から見るとハードルが高く感じられるようで、話のネタにもってこいです。

これからピザ窯を作ってみよう!と思う方はほとんどいないと思いますが、積むだけでできるピザ窯の作り方や材料費なども紹介していきますので参考にしていただけますと幸いです。

そのほか、数少ない趣味である修行については、以下の記事でご紹介しておりますので、ご興味がありましたらご覧ください。

【JGC・SFC】修行のすすめ

1.ピザ窯が欲しい・・・!

ピザ窯が欲しいのに理由は特になかったのですが、強いて理由をつけると、

”ほどよい労力とコストで、目に見える成果(実用的なもの)を得たい

といったお手軽な達成感・自己満足でしょうか。

あとは、好きな時にピザが食べたい。どうしてもピザ生地の上でとろけたチーズが食いたい!というしょーもない理由です。

2.”積むだけ”で作れるピザ窯を選んだ理由

理由は、簡単だからです。

  • レンガを削る? ≫やるわけありません。
  • 耐火モルタル? ≫面倒くさそうなのでやりません。
  • 支保工作る?  ≫できないのでやりません。(でもいずれは・・・)
  • アーチ?    ≫この世には、簡単にできないこともあります。

あくまで”ほどよい労力とコスト”で自己満足に浸るためにやることなので「作る」ことには意味があります(私の中では)。

一方、熱源とピザを同じところに置くと灰が気になるのと、火力が落ちてきた時のリカバリーが面倒くさそうに感じたので、耐火レンガを積むだけで作れそうな2段式(下段に熱源、上段にピザ)のピザ窯を目指すことにしました。

3.“積むだけ”2段式ピザ窯の材料

材料サイズ
(タテ×ヨコ×高さ;mm)
単価
(税込み価格)
個数備考
耐火レンガ
SK-32
230×114×65 173120ホームセンターで購入。
数に若干の余裕を持たせた。
透水平板
SK-34
600×300×65 5,9385ネットで購入
(送料込みでややお高め)
コンクリート
ブロック
390×190×10015232ホームセンターで購入。土台用。

私がピザ窯を作ったときの材料は以上です。価格は購入時の税込み価格で表示しており、材料費の概算は60,000円でした。

コストを押し上げているのは、おそらく透水平板(送料込み)だと思います。ちなみに透水平板は耐火レンガの大きい版で、下記広告では、『耐火レンガ SK34 平板 大きさ300×600×65 ピザ窯 大板』が該当しますが、近場のホームセンターで取扱がなかったことが悔やまれます。

また、ホームセンターで耐火レンガを120個も買うと持ち帰りが大変なので、事前に配送サービスがあるかを確認することをオススメします。というより、配送サービスがないと大変なことになります。ご注意を。

ついでに、レンガを削るわけがないといったばかりなのに・・・スマンありゃウソだった。ディスクグラインダーで5個くらいガッツリ切った。

どうしても削るのが嫌なら、半分に割ってある耐火レンガも市販されています。下記広告では『耐火レンガ 半マス・・・11.4×11.4×6.5cm』が該当します。

多少金銭的なコストは上がりますが、そのあたりはご自身の判断で選ぶと良いでしょう。

加えて、忘れてはいけないものとして、火を扱っても良い環境(ご近所の方への配慮や安全面、敷地、水の確保)を挙げておきます。

必要なものは以下に広告として貼っておきます。

実際の店舗でもネットでも、買い物の際のご参考になさってください。

4.”積むだけ”2段式ピザ窯の設計図

作成したピザ窯の設計図を公開していきます。

なお、素人が軽い気持ちで作ったものなので、寸法などは結構適当です。ご了承ください。

設計図だけご覧になりたい方は、下記記事をご覧ください。印刷やスマホを見ながらの作業にお使いいただくと良いのではないでしょうか。

【自作用】積むだけピザ窯の設計図

また、半分に割った耐火レンガが10個ほど必要になります。(この分の耐火レンガは120個に含まれます。)

もし耐火レンガを割るための手段が確保できない場合は、無理せず買ってしまいましょう。

4-1.全体像

図はピザ窯の全体を正面から見たものになります。

コンクリートブロック4段を土台。

耐火レンガを11段ほど積む。

高さは土台部分を含めて、だいたい1メートル。

横幅およそ80センチ。

奥行きおよそ80センチ。

この設計でできるピザ窯の内部での熱の伝わり方のイメージは、下の図のとおりです。

下段の熱源から発生した熱(図中の赤い矢印)がピザ窯奥から上段に抜けて窯を温める感じです。

4-2.土台部分

土台部分は、市販のコンクリートブロックを積むだけにしました。

図は上から見て、ブロックをどう配置するかを表しています。

コンクリートブロックを置く前に、地面を突き固めて基礎をしっかり作った方が良いです。

基礎がしっかりできていないと、耐火レンガを積み上げたときにひずみが出てしまい、隙間ができる原因になります。

4-3.ピザ窯部分

さて、本題のピザ窯部分(耐火レンガを使う部分)の設計図を紹介していきます。

なお下側がピザ窯の正面となるよう作図しています。また、図中の「ハーフ」は半分に割った耐火レンガを指します。

まず、下から1段目・2段目の図を貼っておきます。

2段目の図中のコメントにもありますように、5段目くらいで透水平板を置くための足場が必要になるので、耐火レンガを立てて使いますが、実際には5段目を作る時に置けば間に合います。

ちなみに、図を見ると1段目より2段目の方が若干大きく、2段目が数センチほど前にせり出すことになりますが、どうか気にしないでください。

続いて、3段目・4段目の図です。

特に書くこともなく、耐火レンガを積めば終わります。

いよいよ5段目から透水平板が登場します。

図中にも書いてあるとおり、透水平板×2は、5段目と同じ高さになります。かなり重いので、気をつけましょう。

なお、透水平板の後ろ側(図中だと上側)のスペースは、下段から上段に熱を伝えるためのものです。

7段目・8段目は、特に書くこともないです。ひたすら積みましょう。

9段目・10段目になると、完成形が見えてくる頃です。

今回の設計では、ドーム状をそれとなく意識して、ピザ窯後方や中央部分の内部空間を少し高くしています。

効果のほどは定かではありませんが、一番上のあたりなので、効果がなければすぐに積み直してリカバーできます。

安心して挑戦しましょう。

いよいよ最上段です。

耐火レンガを5個くらい並べて終わりです。お疲れ様でした。

5.作業風景~完成図

さて、設計図に従い耐火レンガを積み上げていく雄姿をお見せしたかったのですが、うっかり写真を撮り忘れたため、完成図のみでご容赦ください。

左図がピザ窯を正面から見たもので、右図がピザ窯を右側面から見たものです。

6.マイナーチェンジ

積み上げたピザ窯は着火がネックになっているようで、窯が温まるまでに意外と時間を要することが分かりました。

着火時に問題になるのは、薪が乾燥していないか、燃焼に必要な空気の供給(給気)の問題が考えられます。

前者はともかく、後者はピザ窯の構造で解決できるかもしれませんので、煙突をつけてみました。

煙突があれば効率的に窯内部の空気が上方に抜けるため、薪への給気がスムーズになると考えたからです。

耐火レンガが足らなかったので、上段部分を設計から1段減らして、余った耐火レンガをちょっとした煙突にしました。

煙突をつけたので、着火時の問題は解決できるのではないかと思いますが、まだテストできていないので、暇なときに実験してみたいと思います。

また、副次的な効果ですが、上段部分の口が小さくなったため、窯の温度が下がりにくくなったと思います。

こちらも後日追試予定です。

(2022年2月5日追記)

>↓煙突を付けたピザ窯を稼働させた記事です。

【実験】自作のピザ窯でローストビーフを作ってみた

7.ピザ窯を作ってみてわかったこと

7-1.よかった点

  • ピザ窯を作って得られる達成感や充実感
  • ちゃんとピザが焼けた
  • きちんと機能して、目に見える成果物
  • 話のネタになる

この記事では紹介していませんが、ちゃんとピザも焼けたので、目に見える成果物としては及第点だと思います。

数少ない友人を招いてバーベキューをするときにも活躍してくれますし、飲み会などでも話のネタにもなるので、概ね予定どおりです。

7-2.悪かった点

  • ランニングコスト(薪代)が結構高い。
  • 意外と隙間がある。
  • ピザ窯も買った方が安い。

薪は、林業関係の方が近くにいれば入手しやすいのかもしれませんが、ホームセンターで買うと地味にします。

まさかこんな形で林業に興味をもつとは思っていませんでしたが、これはこれで良いと思っています。

一方、ピザ窯そのものの問題点として、隙間があるために熱効率が落ちていることです。

これは、耐火レンガの個体差による部分もあるのですが、耐火モルタルで隙間を埋めなかったことも原因と考えられます。

耐火モルタルで耐火レンガ同士をくっつけてしまうと、ピザ窯を別の場所に移設したいときに不便だと思ってやらなかったのですが、熱効率か利便性のどちらをとるか、悩ましいところですね。

これからピザ窯を作る方は、このあたりも考慮するといいのではないでしょうか。

最後に、やる前からわかってはいましたが、ピザ窯が欲しいだけなら明らかに買った方がいいです。

例えば、楽天で「ピザ窯」を検索すると結構な数がヒットします。

画像を見てると、もうこれでいいんじゃないかな、と思ったりします。煙突あるし。

今回は作ることに意味がある、というテイでやっていますが、自由に使えるお金も時間も有限なので、どこに価値を見出すかで判断をするのが良さそうですね。

次はピザ窯を使って何を調理したのか、ご紹介したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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