こんにちは。決算発表などの活動が活発になってきましたね。
そんな中、5月10日に【9433】KDDI株式会社で自己株式の取得と株式公開買付を発表しました。
結論として「特に対応を考える必要はない」と考えていますが、一応記事にしていきたいと思います。
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自己株式取得と株式公開買付の目的
自己株式の取得はこれまでにも行われており、株主還元の一環であると考えられます。
一方、株式公開買付ですが、こちらは大株主のトヨタ自動車が保有株式の一部を手放すことによるものだそうです。
一部とはいえ、大株主が株式を手放すと、株価に影響が出てしまうので株式公開買付という形をとった、ということのようです。
株主還元の一環をやるタイミングで、トヨタ自動車から株式売却の話があったので、自己株式取得の一部についてはこちらで対応しよう、となったのだと理解しています。
自己株式取得
今回の自己株式の取得は、発行済株式数の約3.78%(87,000,000株)を上限として実施するとのことです。
ちなみに、2017年以降は毎年自己株式の取得を行っており、自己株式の取得数も、多少の増減をしながらも大局的には緩やかな増加をしています。
後述しますが、自己株式の消却も行って株主還元策を進めています。
自己株式の消却
自己株式の取得・公開買付の発表と同日に、自己株式の消却も発表されていました。
自己株式の消却も株主還元の一環として掲げられていますので、有限実行ということですね。
なぜ自己株式の消却が株主還元になるのかというと、株価の計算式(投資家の思惑はいったん置いておきます)を見ると理解できます。
株価 = 企業価値 ÷ 発行済株式数
ここで、自己株の消却前後で企業の価値は変わりませんが、発行済株式数が減るので、結果的に計算上の株価は高くなります。
具体的な数字を当てはめてみましょう。
例えば、企業価値が100万円、発行済株式数が10,000株として、5,000株を消却するとしましょう。
- 消却前 : 株価 = 100万円 ÷ 10,000株 = 100円/株
- 消却後 : 株価 = 100万円 ÷ 5,000株 = 200円/株
これは極端な例ですが、このように一株あたりの価値が向上するので、株主の利益に通じる、つまり株主還元になります。
株式公開買付
今回の株式公開買付について、次のような内容が公開されています。
- 公開買付公告日:2024年5月13日
- 買付の期間:2024年5月13日~同年6月10日
- 買付価格:普通株式一株につき3,896円
確認ですが、【9433】KDDI株式会社の株価は、2024年5月13日一株あたり4,310円でした。
一般の投資家から株式公開買付を通じて買付けする場合、現状の株価より高い価額になりますが、今回は企業間でのやり取りになるので、ある程度ディスカウントされた額に設定されているとのことでした。
継続保有?売却?
今回は企業間でのやり取りなので、特に何もせず静観です。
仮に売却するにしても、今の株価よりだいぶ低い額のため、売る旨味はありません。
また、今後も継続的に株主還元をやってくれると表明している企業ですし、株主優待もありますので、引き続き継続保有問していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。